同人誌、作ってみたい。
でも何から始めればいいか全然わからない…
そう思って検索しているあなたへ、このガイドを書きました。
原稿の書き方から、印刷所の選び方、入稿データの作り方、費用の目安まで。
はじめて本を作る人が「これ一記事読めば動ける」と思えるように、全部まとめています。
小説同人誌制作の全体像|まずは流れを理解する
同人誌制作は、次の5ステップで進みます。
- 企画・設計
- 原稿作成
- 表紙デザイン作成
- 入稿データ準備
- 入稿・頒布
※小説同人誌では「本文」と「表紙」は別工程で考えるのが基本です。
重要なのは「書き始める前に設計を決めること」です。
ここを曖昧にすると、入稿直前にやり直しが発生します。
| ステップ | やること | 目安時間 |
|---|---|---|
| 企画・設計 | サイズ・ページ数・部数・印刷所を決める | 1日〜 |
| 原稿作成 | テキスト執筆+レイアウト(Word/Wordなど) | 数週間〜 |
| データ入稿準備 | 印刷所の仕様に合わせてPDF化・確認 | 1〜3日 |
| 入稿・校了 | 印刷所にデータを送る。校正がある場合は確認 | 1〜3日 |
| 受け取り・頒布 | 完成品を受け取り、イベントやBOOTHで届ける | イベント当日 |
① 企画・設計|サイズ・ページ数・印刷所の決め方
原稿を書き始める前に、本の仕様を固めましょう。
ここを曖昧にすると、あとで原稿を作り直すことになります。
- サイズ(A5/文庫など)
- ページ数の目安
- 表紙仕様(カラー/モノクロ)
- 部数
- 印刷所
- 締切日
イベント参加の場合は、開催日から逆算して締切を決めることが最優先です。
初心者にオオススメの構成
| 項目 | 選択肢の例 | 初心者おすすめ |
|---|---|---|
| サイズ | A5 / B5 / A6(文庫) | A5(小説定番) |
| ページ数 | 28〜500p程度 | 40〜60p(コスパ良) |
| 表紙 | フルカラー / モノクロ | フルカラー(映える) |
| 本文 | フルカラー / モノクロ | モノクロ(安価) |
| 部数 | 30〜500部〜 | 30〜50部(初回) |
小説同人誌のスタンダードはA5・モノクロ本文・カラー表紙の組み合わせ。
これが費用と見映えのバランスが一番取りやすいです。
② 原稿作成|初心者向け文字設定とレイアウトの基本
小説同人誌の原稿は、WordやGoogleドキュメントでも作れます。
ただし、印刷所へ入稿する際は基本的にPDF形式が必須です。
さらに重要なのは、
- フォントの埋め込み
- 塗り足し設定(表紙)
- 余白・ノンブル位置
- ページサイズ(A5/文庫など)
といった「印刷前提の設計」です。
単に文章を書くのではなく、「紙の本としてどう仕上がるか」を意識するのがポイントです。
初めてだと混乱すると思いますが、ひとつずつ見ていけばきっとわかります!
原稿作成ソフト例
- Word(初心者向け)
- 一太郎(縦書き・ルビに強い)
- Adobe InDesign(本格レイアウト)
- Canva(表紙作成向け)
初心者の場合はWordで十分です。
文字設定の目安
- A5:9〜10.5pt
- 文庫:8〜9pt
- 行間:文字サイズの1.5〜1.8倍
可読性を最優先にしましょう。
よく使われる原稿作成ソフト
大体「Word」か「一太郎」で勢力が二分されています。
Word
かんたん度:
- 馴染みやすい
- PDF書き出し対応
- テンプレートが豊富
もっとも利用者が多い定番ソフト。
縦書き設定やページレイアウトも可能で、小説本文だけなら十分対応できます。
向いている人
- 同人誌制作が初めて
- 文章中心で凝った装飾はしない
- とにかく早く形にしたい
注意点
- 余白はやや広め(上下左右15〜20mm目安)
- フォント埋め込み設定を忘れない
- 印刷所指定サイズに必ず合わせる
一太郎
かんたん度:
- 縦書きに強い
- ルビ機能が優秀
- 同人誌向け機能が充実
縦書き小説に特化したいなら非常に強力。
ルビ(ふりがな)や禁則処理の安定性はトップクラスです。
向いている人
- 和風作品・文芸寄り作品
- ルビを多用する
- 文章組版にこだわりたい
強み
- 行間バランスが整えやすい
- 句読点の位置調整が自然
Adobe InDesign
かんたん度:
- 本格DTPソフト
- 完全なレイアウト制御
- 商業出版レベルの組版
プロ向けのレイアウトソフト。
ページ番号・柱・見出し装飾などを細かく管理できます。
向いている人
- DTP経験がある
- デザインに強いこだわりがある
- シリーズ本を作る予定がある
メリット
- 印刷トラブルが起きにくい
- マスターページで統一管理
- フォント管理が安定
Canva(表紙のみ)
- ブラウザ完結
- テンプレ豊富
- デザイン初心者でも扱いやすい
本文には不向きですが、表紙デザインだけ自作したい人には便利です。
向いている人
- 表紙だけおしゃれにしたい
- デザインソフトを持っていない
- 簡単に画像を書き出したい
注意点
- CMYK入稿が必要な印刷所では変換を確認
- 塗り足し3mmを忘れない
原稿の基本設定
原稿を作る際に必ず守りたい基本設定があります。
印刷所によって微妙に異なりますが、以下が一般的な目安です。
| 設定項目 | A5サイズの目安 |
|---|---|
| ページサイズ | 148mm × 210mm(A5) |
| ノンブル(ページ番号) | 天地左右の端から10mm以上内側 |
| 塗り足し | 上下左右に各3mm追加(仕上がりサイズ+6mm) |
| 本文フォントサイズ | 9〜11pt(読みやすさ重視) |
| 行間 | フォントサイズの1.5〜1.7倍程度 |
「塗り足し」は印刷・裁断のズレを防ぐための余白です。
背景や枠線が端まである場合は必ず追加してください。
失敗しやすいポイント
- 余白が狭すぎて読みにくい
- フォントが埋め込まれていない
- PDFのサイズが印刷所指定と違う
- 表紙の塗り足し不足
印刷所のテンプレートを最初にダウンロードして、それに合わせて作るのが安全です。
③ 印刷所を選ぶ
初心者が迷うポイントのひとつが「どの印刷所に頼むか」。
クオリティ・価格・締切の柔軟さで選びましょう。
初心者さんにおすすめの印刷所
下記でご紹介している印刷所さんは大体どこも格安です。
その上で、格安以外のポイントを押さえました。
| ポプルス | 少部数〜中部数が圧倒的に格安。 「まずは発行してみたい」にオススメ。 |
| ねこのしっぽ | Web入稿が親切でわかりやすい。 はじめての入稿にオススメ。 |
| STARBOOKS | 早割の種類が豊富。 締切に追われない人ならここがオススメ。 |
| 栄光 | コミティア等イベント締切に強い。 一番締め切りが遅いところを調べると大体ここ。 |
| OneBooks | まさかの1冊から印刷可能。 しかもフルカラーでも料金が一定というぶっ壊れ仕様。 |
迷ったら「日光企画」か「ねこのしっぽ」からも見積もりを取ってみることをおすすめします。
どちらも初心者向けの説明が丁寧です。
「我こそは初心者向け!」という印刷所様は、是非ご連絡ください。
各印刷所のサイトには「入稿ガイド」や「テンプレート」が用意されているので、入稿前に必ずダウンロードしておきましょう。
④ 入稿データを仕上げる
入稿前に確認すべきポイントをリスト化しました。
一つひとつ確認してから送りましょう。
入稿前チェックリスト
- ページ数は印刷所の規定(4の倍数など)に合っているか
- 塗り足し(3mm)が設定されているか
- 表紙・本文のカラーモードは指定通りか(CMYKまたはグレースケール)
- フォントは埋め込みされているか(PDFの書き出し設定で確認)
- ノンブル(ページ番号)の位置が裁断範囲内に入っていないか
- ファイル形式は印刷所の指定通りか(PDF・PSDなど)
- 入稿締切日を確認済みか
- 見本誌要否を確認したか(イベント参加の場合)
費用の目安:はじめての一冊はいくらかかる?
費用は部数・ページ数・カラー仕様によって大きく変わります。
以下はあくまで目安です。
| 仕様 | 部数 | 費用目安(税込) |
|---|---|---|
| A5・本文モノクロ60p・表紙カラー | 30部 | 約12,000〜18,000円 |
| A5・本文モノクロ60p・表紙カラー | 100部 | 約20,000〜30,000円 |
| A5・本文モノクロ100p・表紙カラー | 50部 | 約18,000〜25,000円 |
印刷所の公式サイトには「見積もりシミュレーター」があります。
必ず実際の数字で計算してから発注しましょう。
頒布価格の目安は「原価の2〜3倍」が基本。
30部・制作費15,000円なら、1冊500円〜600円が相場感です。
表紙デザインはどうする?
表紙は本の「顔」であり、手に取ってもらえるかどうかを左右します。
選択肢は大きく3つです。
- 自分でデザインする
- デザイナーに依頼する
- 絵師に依頼する
- 印刷所に依頼する
自分でデザインする
小説同人誌の場合、タイトル・キャッチコピー・雰囲気のある写真や素材でも十分に素敵な表紙が作れます。
素材サイトの「Unsplash」「Pixabay」などは商用・同人誌利用が可能なものも多いです。
各サイトのライセンスを必ず確認してくださいね!
最初から自分で作る場合
デザインツールを使って自分で作りましょう。
- 素材の用意
「Unsplash」や「Pixabay」で素材を用意しましょう。
自分で撮影した写真などもオススメです。 - 入稿データの作成要項を確認
どのようなデータを作ればいいかは、印刷所によって変わります。
必ず各印刷所のサイトで「入稿規定」を確認しましょう。 - 自由にデザインする
「Canva」などを使用し、自分でデザインしましょう。
必ず印刷用のサイズ・解像度になっていることを確認してください。
デザインテンプレートを購入する場合

BOOTHなどでは、「タイトルを入れるだけでOK」の状態になっている素材が販売されています。
デザインに自信が無い方や、入稿データの形式がわからない方はこれがオススメです。
本当に自信の無い方は、「背幅の調節不要」と書いてある素材を選びましょう。
デザイナーに依頼する
昨今、ネット上に同人誌の表紙を専門としたデザイナーが大勢います。
SKIMAやココナラで探すほか、X(Twitter)で検索してみても良いでしょう。
メリット・デメリット
| SNSなどで直接依頼 | SKIMA・ココナラ |
|---|---|
| 手数料が無いので安い | 手数料のぶん高い |
| 基本的に銀行振込のみ | カードや電子決済も可能 |
| デザイナー・クライアントともに本名での取引 | デザイナー・クライアントともに匿名での取引 |
| 身元がハッキリしてるので安心 (稼働歴が長い人を選ぶ) | 匿名なので逃亡リスク有 |
| トラブル時に自分で対応する必要あり | トラブル時に運営が介入してくれる |
SKIMAやココナラは匿名取引で気楽な分、「本当に納期を守ってくれる人なのか」「急に連絡が取れなくならないか」などの不安があります。
すでに高レビューを獲得している人を選んで依頼する必要があります。
納期破られたら運営に言って返金してもらえばOK♪ と思えるなら大丈夫ですが…。

絵師に依頼する
同じく、SKIMAやココナラで探すのが一番良いでしょう。
ただし注意として「二次創作の場合はガイドラインをよく確認する」というのを忘れないでください。
まとめ:はじめての同人誌、迷ったらこの順番で動こう
- サイズ・ページ数・部数を決める
- 印刷所を1〜2社に絞り、テンプレートをダウンロード
- テンプレートに合わせて原稿を作成
- 入稿前チェックリストを確認
- データを送って、完成を待つ
「完璧じゃなくていい。まず一冊作ってみること」が何より大切です。
最初の一冊を作った人は、ほぼ全員が「思ったよりできた」「もっと早く作ればよかった」と言います。
このガイドが、あなたの最初の一歩を後押しできれば嬉しいです。